塗料に求めるものとは
外壁・屋根塗装プランは、お住まいの外壁の劣化状況によって使用できる商品が変わります。
最近ではアクリル塗料プラン、シリコン塗料プラン、フッ素塗料プランなどのフレーズを広告等で見かけますが、
聞いただけではこれらの塗料にどのような性能があるのか分かりませんよね。
そして、その他にも使用する塗料に遮熱効果を添加するかどうか。
など一言に外壁・屋根塗装と言っても決めることがたくさんあります。
今一度きちんと塗料の持つ遮熱効果について考えてみましょう。
屋根・外壁の温度上昇を抑制
遮熱塗料は、屋根・外壁・屋上に塗装すると、夏場の日射が多いときに熱の吸収を抑制し、
建物内部への熱量の進入を抑え、室内温度の上昇を緩和します。
遮熱塗料を屋根に塗装した場合、最大で約 15 ~ 20℃の屋根表面温度を低下させることができます。
室内の空調費の省エネ化
建物の形状や立地、使用環境、用途、断熱性により大きく異なりますが、
室内では約1 ~ 3℃程度の低減効果が期待できます。
一般に室内温度が1℃下がると約10%の空調費が削減できると言われています。
一般屋根用塗料の場合
太陽光からの近赤外線の反射が少なく、熱を吸収しやすい。
屋根表面から伝わった熱が室内にも広がっていく。
室温を快適な温度に保つために、より多くの冷房費用が必要になる。
遮熱塗料の場合
太陽光からの近赤外線を効率よく反射する。
屋根が暑くなりにくいので、室内への熱の移動も少なくて済む。
少ない冷房費用で、室温を快適な温度に保つことができる。
遮熱塗料と断熱塗料
外壁・屋根塗料には断熱塗料と呼ばれるものと遮熱塗料と呼ばれるものがあります。
断熱塗料とはその名の通り熱の伝導を防ぐ作用がある塗料のこと。
遮熱塗料は熱を反射させる効果をもつ塗料のことです。
この場合の熱というのは、太陽からの熱のことです。
簡単に言うと、『日差し』の熱です。
太陽から受ける熱で外壁・屋根の表面温度が上がれば、外壁・屋根を伝って
熱が家の内部に伝導しますので、結果として室内の温度に影響を及ぼすことがあります。
要するに、室内温度が外気の温度に影響されにくいほど、
冬は温かく、夏は涼しいということなのです。
似たような言葉ですが、この2つは、そもそも効果発揮の仕組みが違う塗料なのです。
遮熱効果はあった方がいいのか?
有るか無いかで言ったら、なんとなく遮熱効果はあった方がいいのでは?
というのが人間の心境ですが、市場に出回る塗料すべてに
遮熱効果を添加できるわけではありません。
それは取扱いメーカーの設定によるところが大きいのですが、わざわざ遮熱効果が
塗料によって有ったり無かったりするのはそれ相応の理由があるからです。
その理由は…
①耐候性が若干低くなる可能性がある
②遮熱無しの塗料と遮熱ありの塗料は色味が若干違うように見える場合がある
この現象は塗料メーカーによって解釈の差がありますが遮熱成分を添加すると
塗料中のバランスが変わるので若干ですが耐候性や色味に影響があると言われています。
明らかに成分や見た目が変わるわけではありませんが、遮熱塗料にはこういったことが起こる可能性があります。
遮熱塗料の効果を効率良く引き出すには
実は遮熱塗料の効果は外壁・屋根の色に大きく左右されます。
みなさんは、理科で白色の紙と黒色の紙に虫眼鏡で集めた太陽の光を照らし、
それぞれの暖かさの変化を見る。という実験をした思い出はありませんか?
ご存知の通り、黒い紙は白い紙よりも太陽の光を受けて短時間で暖まりましたよね。
実は、外壁・屋根にもこれと同じことが起きているのです。
『黒い屋根・外壁はカッコいいけれど、暖まりやすい!』ということです。
白色は汚れが目立ちそうという理由で、アイボリーやベージュを選ばれる方も多いですが、
遮熱塗料の効果を発揮させるならやはり白色が1番良い結果が得られます。
そして白色に近い淡い色ほど、濃い色よりも遮熱効果を得られます。
外壁塗装リフォームをする場合は塗料の性質を理解し、
塗料の遮熱性能についてもよく検討・確認した上でプランを決定しましょう。
塗装カラーは淡い色であるほど遮熱効果が発揮できます。
お住まいにどの効果を一番求めるのかを考え、完成イメージをしっかり描いておくと、
外装リフォームのプラン決定で迷うことが少なくなるでしょう。