洗濯物を干したり家庭菜園を楽しんだりできるベランダやバルコニーは、日常生活を快適に送るために役立つスペースです。
しかし、屋外にあり雨風や紫外線にさらされるため、劣化しやすい場所でもあります。
劣化するといろいろな症状が現れ、放っておくと大規模な工事が必要になります。
ベランダの耐久性が落ちて破損すると、住む人が怪我をしたり、転落したりする危険性もあるのです。
今回の記事では、ベランダやバルコニーの防水塗装について詳しく説明します。
日々安全に使うためにも、劣化の症状や防水工法、相場などを知っておきましょう。
ベランダやバルコニーの劣化原因と防水塗装
▶︎ベランダとバルコニーの違いと防水構造
ベランダとバルコニーはどちらも2階以上に位置する屋外のスペースですが、
屋根のあるものをベランダ
屋根のないものをバルコニー
とそれぞれ呼びます。
屋根の有無にかかわらず、屋外にあるベランダやバルコニーは劣化しやすいため、どちらも防水塗装が必要です。
ベランダやバルコニーの防水は、下地となる「防水層」とその表面に塗る「トップコート」の2層で構成されています。
トップコートとは、塗膜を保護してツヤを出すための、表面に塗るコーティング材のことです。
▶︎ベランダやバルコニーが劣化する原因
ベランダやバルコニーは屋外にあり、雨風や紫外線にさらされ続けるため、劣化しやすい場所です。
さらに、洗濯物を干すスペースとして活用する場合も多いため、
ベランダを歩くことによる摩擦で塗膜がだんだんと劣化します。
また、人工芝や絨毯(じゅうたん)を敷いている住まいも見かけます。
人工芝や絨毯は雨水などを吸収し、常に水分を含み乾燥しづらくなるため、劣化を進行させる恐れがあるのです。
▶︎早めのタイミングでの補修が大切
塗装や小さなひび割れなどの修理なら、メンテナンス程度の施工で済むため、費用もそれほどかかりません。
しかし、小さなひび割れでもメンテナンスを怠ると、劣化が進行して大規模なリフォームが必要になり、
塗装や部分補修とは比べ物にならないほどの金額がかかってしまうのです。
最悪の場合はベランダの破損により、居住者が怪我をしたり転落したりする危険性もあります。
トータルコストを抑え安全に使用するためにも、
ベランダやバルコニーはひび割れや剥がれが起きる前に定期的にメンテナンスを行いましょう。
▶︎塗装時期の目安
防水層とトップコートは、それぞれ防水塗装の塗り替えの目安となる時期が異なります。
防水層:約10年
トップコート:約5年
ただし、これはあくまで目安でありベランダやバルコニーの表面が粉っぽくなっていたり、
小さなひび割れが見られたりする場合には、すぐにトップコートを塗り替えなければなりません。
損傷が進んで防水層まで劣化が進行してしまった場合は、防水層を剥離してから施工しなければならなくなります。
また、ベランダに水が溜まっている場合は注意が必要です。
溜まった水が屋内へ侵入すると、雨漏りの原因になるためです。
水が溜まる原因は排水溝の詰まりや、施工不良により水を排水するための勾配がないことなどが考えられます。