防水塗装は防水層の上にトップコートを塗布することで完成します。
工期は、ベランダの状態が良く補修の必要がない場合は、2~3日程度です。
つづいて、防水層の工法の種類について詳しく説明します。
ウレタン防水工法
液体のウレタン樹脂を塗装する工法です。
塗料が乾くとウレタン樹脂は固まり、弾性のある防水膜が形成されます。
現在のベランダ防水において、主流となっている防水工法です。
▶︎メリット
つなぎ目がない防水膜を形成できるため、防水性に優れる
施工が簡単で安価
塗料の匂いがほとんどない
液体状のためベランダや屋上、バルコニーなどあらゆる場所に適する
▶︎デメリット
均一に塗るのが難しく、施工者の技術力により仕上がりが左右される
経年劣化で亀裂が起こる可能性がある
▶︎ウレタン防水工法の費用相場と耐用年数
費用相場:4.5~7万円(10平米)
耐用年数:約12年
FRP防水工法
FRPとは、強化プラスチックを意味する言葉です。
液体の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を混ぜて、
そこにガラス繊維などの補強材を加えたものを用いるのがFRP防水工法です。
現在、ウレタン防水工法に次いで行われる防水工法となります。
戸建て住宅や新築マンションなどに採用されることが多く、
鉄筋コンクリート造の建物やマンションのベランダに適しています。
ただし、FRP防水は伸縮性に優れずひび割れが起きる可能性があるため、
収縮や変形が起こる木材の下地にはあまり適していません。
また、下地が鉄部の場合は、FRP防水の施工はできません。
▶︎メリット
つなぎ目がないシームレスなつくりのため、防水性に優れる
軽量でベランダや屋上の防水材に向いている
頑丈で耐久性があり、摩擦や衝撃に強い
▶︎デメリット
材料費が高いためコストがかかる
塗料に臭いがある
プラスチックでできているため紫外線に弱く、定期的にトップコートを塗る必要がある
下地への接着力が強いため伸び縮みしにくく、地震の影響を受けるとひび割れしやすい
▶︎FRP防水工法の費用相場と耐用年数
費用相場:5~7万円(10平米)
耐用年数:約10年
シート防水工法
合成ゴムや塩化ビニールでできた専用の防水シートを、接着剤などにより下地へ貼り付けるのがシート防水工法です。
技術力が必要な塗装工法なため、一般的な戸建て住宅で採用されることは稀です。
現在では塩ビシート防水工法が主流です。
▶︎塩ビシート防水工法
塩化ビニールで作られた厚さ1.5~2.5mmのシートを使う工法で、現在のシート防水の主流です。
施工は難しいものの、紫外線や熱に強く耐久性に優れています。
▶︎メリット
短期間で施工できる
耐久性や対候性に優れ、亀裂に強い
匂いが少なく、耐用年数も長い
▶︎デメリット
複雑な形状の場所の施工には向かない
施工の難易度が高く、仕上がりは施工者の技術力に左右される
燃えるとダイオキシンが発生する場合もある
▶︎シート防水工法の費用相場と耐用年数
費用相場:4~8万円(10平米)
耐用年数:約13年
アスファルト防水工法
成分にアスファルトが含まれているシート状のルーフィングをベランダに貼る工法です。
熱工法やトーチ工法、常温工法などがあります。
一般的な戸建て住宅で採用されることはなく、マンションやビルの屋上に行われる防水工法です。
▶︎メリット
他の防水工法よりも耐用年数が長い
防水性が高い
屋上緑化ができる
▶︎デメリット
工程数が多い
工程によってはアスファルト溶融釜が必要で、匂いや煙が発生する。また火災や火傷のリスクがある
▶︎アスファルト防水工法の費用相場と耐用年数
費用相場:5~8万円(10平米)
耐用年数:約20年